第125章 最も従順な犬

藤原智彦の口元に浮かんでいた笑みが、完全に崩れ落ちた。声まで思わず上ずる。

「昨日、俺はずっと美雪と一緒にいた! あいつが何かあったって、俺には関係ない!」

警察が杉浦杏奈に続いて入ってきたのを見て、彼は反射的に、通報したのは杉浦杏奈に違いないと思った。

その杉浦杏奈が五体満足でここに現れたということは、自分が差し向けた連中は失敗したということだ。

では、昨日、自分に「もう大丈夫だ」と知らせてきたのは誰だったのか。

考えれば考えるほど、藤原智彦の背筋は冷えていく。気づけば、指先が小刻みに震えていた。

会場がしんと静まり返り、人々は互いに目配せを交わした。

「昨日、美雪さんと一緒...

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